2025年11月
11月1日
「PLURALITY」オードリー・タン(著)、E・グレン・ワイル(著)
これは現代社会の閉塞を打ち破るような、まったく新しい希望の書だと感じました。AIやネットワークが人間を分断させるものとして語られがちな時代に、本書はむしろそれらを「協働」と「共創」のための道具として再定義してますね。その根底にあるのは、「多様性(plurality)」こそが社会を進化させる原動力だという確信でしょうか。テクノロジーを介して異なる価値観や立場の人々がつながり、共に問題を発見し、解決をデザインしていく姿は、単なる理想論ではなく、台湾で実際に形になっている実例として語られる点が圧巻でした。
本書が提示するのは、政治や民主主義を「闘争」ではなく「共創のプロセス」として再構築する大胆な思想であり、それは読む者に「自分も参加できるのだ」という前向きな感覚を呼び起こしてくれました。哲学・社会科学・デジタル技術が融合する語り口は知的刺激に満ち、ページをめくるごとに視界が広がっていくようでした。特に、オードリー・タンの語る「透明性は信頼を生む」という理念や、グレン・ワイルの経済思想との融合は、理論と実践が美しく交差する瞬間として非常に印象深かったです。
本書は未来の社会を「より良く生きるための実験場」として描き直す一冊であり、読後には「自分の手で社会をつくる」という希望が静かに芽生えました。思想書でありながら、人間への信頼に満ちた、とびきり明るい社会の設計図であると思いました。

11月1日
ウェンブリーに念を送っておきました!
あんまり酷いのもアレなんでこれくらいで(笑)。
「ルーズボールよ!全部日本側に転がれ、転がれ、転がれ~~」

11月3日
QNS 第1週
アイルランド 13 - 26 オールブラックス
試合開始3分で、アイルランドのLOバーンが頭部付近へのタックルで退場(20分レッドカード)となったにもかかわらず、アイルランドは集中力を発揮し、PRファーロングのトライなどで 10-7 のリードで折り返しました。ただアイルランドのラインアウト成功率が低く(前半60%程度)、ターンオーバーを多く許すなど細部に不安要素も見られました。
後半に入るとオールブラックスが徐々にエンジンをかけてきて、特に60分過ぎからの短期間でのトライ3本が決定的となりました。後半にかけて替え選手を含めた「流れの切り替え・勝負どころの集中」を非常にうまく機能させました。特にPRウィリアムスとFLシティティは、出場後すぐにトライという結果を出した点で称賛に値します。これが、前半苦しんでいた状況からの逆転勝利につながった大きな要因でしょう。
この試合は、両チームにとって「成長の証」「再構築の機会」として非常に示唆に富む内容でした。アイルランドは良い立ち上がりを見せながらも勝ち切れず、オールブラックスはやや不安定さを残しつつも勝利への意志と対応力を示しました。全体として、非常に見応えある試合でした。戦略・個別スキル・組織力…あらゆる観点から分析可能で、ラグビーファンとしても多くを学べる内容でした。
個人的にはオールブラックスで最推しのシティティが大活躍で大満足です。
HIGHLIGHTS | All Blacks v Ireland | Chicago, 2025

11月6日
火を点ける儀式
大事なプレゼンが近づくと、
俺の中でスイッチが入る。
資料を何十回も読み込む。
文字が擦り切れるまで叩き込み、
文字の隙間に潜む“息づかい”まで覚え込む。
言葉が脳に焼き付くまで繰り返す。
想定される質問?全部潰しておく。
どんな角度から弾が飛んできても、
笑って撃ち返せるように。
けど、俺の武器は台本だけじゃない。
スライドには書かない一言――
お客様の心を撃ち抜く“キラーフレーズ”を
胸の奥で研ぎ澄ませておく。
あれは最後の一撃。
聴く者の記憶に焼きつけるための爆薬だ。
プレゼン30分前。
ヘッドホンをつけ、
好きな音楽を爆音でぶち込む。
ギターの咆哮、ドラムの衝撃。
煙草の煙を吐き出しながら、
思考を全部リセットする。
静寂と轟音が交わるその一瞬、
俺は戦闘モードに切り替わる。
会場の空気を想像する。
息が熱を帯びる。
緊張なんて、とっくに通り越した。
ここまで積み上げた
すべてを爆発させるだけだ。
マイクを握るように、
スライドのリモコンを握る。
心臓がドラムを打つ。
音が止まり、静寂の中で、俺は呟く。
――「行こう、ステージは俺のものだ。」
11月6日
日本戦のアイルランド代表メンバー
いつも顔と名前を作ってるのですが、今回は名前だけのおさらいです。
1.アンドリュー・ポーター
2.ローナン・ケラハー
3.トーマス・クラークソン
4.ジェームズ・ライアン
5.タイグ・バーン
6.ライアン・ベアード
7.ニック・ティモニー
8.ケーラン・ドリス(キャプテン)
9.クレイグ・ケイシー
10.ジャック・クロウリー
11.ジェイコブ・ストックデール
12.ロビー・ヘンショウ
13.トム・ファレル(初キャップ)
14.トミー・オブライエン
15.ジェイミー・オズボーン
16.ガス・マッカーシー
17.パディー・マッカーシー
18.フィンレイ・ビーラム
19.シアン・プレンダーガスト
20.ジャック・コナン
21.ケイリン・ブレイド
22.サム・プレンダーガスト
23.ジミー・オブライエン
以下のいわゆる主力選手たちはお休みみたいですね。
PR(3)タイグ・ファーロン
HO ダン・シーハン
FLジョシュ・ファンデルフレイヤー
SHジャミソン・ギブソン=パーク
CTBバンディー・アキ
CTBガリー・リングローズ
WTBマック・ハンセン
WTBジェームズ・ロウ
ちなみにLOジョー・マッカーシーと絶対的FBヒューゴ・キーナンはライオンズツアーで怪我したため秋のシリーズには出場しません。
主力が欠場とは言え、1,2,4,5,6,8,9,10,11,18,20あたりは皆実力者ですから、日本は厳しい戦いになるでしょうね。でもゴリゴリのメンバーではないので、日本は少しだけチャンスがあるかもしれませんね。

11月7日
週末のお楽しみ(備忘録)

11月9日
QNS 第2週
アイルランド 41 - 10 日本
(前半 17 - 10、後半 24 - 0)
個人的に後半開始早々のプレーが勝敗を分けた気がしました。
42分、敵陣10mと22mの間位の日本ボールラインアウト。No.8マキシがお馴染みのノッコンでアイルランドの攻撃。日本ゴール前まで攻め入るもFLガンターのビッグタックルでアイルランドがノッコン。日本はスクラムから右へ展開。WTB石田が苦し紛れのプレゼントキック。その後キックが往復して、最後はSO李がタッチキック。直後のアイルランドボールラインアウトに日本がジャンピングアクロス。日本ゴール前まで蹴られ、その後のラインアウトから最後はPRポーターがインゴールへダイブ。これで 22 - 10。
この時、アイルランドはシンビンで14人。しかも得点差は7点(17 - 10)。どうしてボールを継続しなかったのでしょうか。理解に苦しみます。味方を待ってラックを作らずに安直にキックで攻撃権を手放してしまう石田の癖。李の司令塔としての判断。どうだったのでしょうか...
そこから前半ボロボロだったアイルランドが明らかに目を覚ましました。SOプレンダーガストに変わったのも相まって、アイルランド伝家の宝刀であるバックドア攻撃が面白いように決まり始めました。
画像の最後がスタッツです。日本は試合開始当初スクラムをやられましたが途中から修正できました。ラインアウトも良かったですし、タックル成功率はアイルランドを上回りました。ボクス戦からの修正は感じられました。
しかし終わってみれば1.5軍のアイルランドに完敗。スタッツには表れない細かいミスや決定力、集中力はいかがだったでしょうか。ゴール前まで攻め込んでおいてのノッコン。絶対に点を取られたくない場面で堪え切れないディフェンス。ハイボール処理。試合の流れを読む判断、能力。立て続けにトライされ始めた時の修正力。控えメンバーのモメンタム...
長田、矢崎は良かったですが、道のりは果てしなく遠いですね。
リアタイされた方々、お疲れ様でした。




11月9日
アイルランド戦、日本選手の採点
RUGBYPASSによる評価です、ご参考まで。
筆者の一言コメント詳細はこちら
良いが7.5~9.5、普通が6~7、悪いが5.5~4のイメージです。
1. 小林 – 7
2. 佐藤 – 6
3. 竹内 – 5
4. ウルイヴァイティ – 5
5. ディアンズ – 6
6. ガンター – 6
7. 下川 – 6
8. マキシ – 7
9. 齋藤 – 7
10. 李 – 5
11. 長田 – 8.5
12. ローレンス – 4
13. ライリー – 6
14. 石田 – 7
15. 矢崎 – 5.5
控えは一括りで 5
長田はアイルランドも含めダントツです。
ローレンスは2試合連続の最低評価です。
ちなみに控え選手を一括りにされるケースは稀です。採点者にとっては評価する価値も無かったのでしょうね。
11月9日
2019年W杯後、「自由視点映像生成システム」なるものを特集するNHKの番組に沢木さんが出演していました。ボーデン・バレットがボールを持った瞬間、オールブラックスの攻撃陣全員が一瞬にして次の動きを予測しているシーンをそのシステムが捉えた場面を見て、沢木さんは言いました。
「バカはラグビーできないんです。」
11月9日
OTOWAカップ #2
YOKOHAMA TKM 65 - 3 GOD
合同チーム相手とは言え、第1週に続きノートライに抑えました。アタックも全11トライの猛攻。推し(FL松永美穂)のトライも観れました。WTBの堀川侑愛、良いですねぇ。また推しが増えそうです。おかげでどっかの代表の不甲斐ない試合の記憶が飛んでいきました(⇐いつも一言余計(笑))

11月11日
今日は11月11日。
日本全国「WTBの日」ですね(笑)。
(11, 14問わず)好きなWTB挙げてみました。
小野澤 宏時、遠藤 幸佑、吉田 義人
郷田 正、山岡 正典、首藤 甲子郎
山田 章仁、中靍 隆彰、松島 幸太朗
(敬称略)

11月11日
三つ巴
2027W杯の組み合わせ抽選会は、今年の12月3日にオーストラリアのシドニーで開催されます。抽選会では、出場する24チームが世界ランキングに基づき6チームずつのポットに分けられます。
・ポット1(世界ランク1~6位): 各プールに1チームずつ配置され、プール戦で対戦することがありません。
・ポット2(世界ランク7~12位): 同様に、各プールに1チームずつ配置され、プール戦での対戦を回避できます。
世界ランキングで12位以内に入っておくべき最大の理由は、抽選会で第1シードまたは第2シードのポットに入り、強豪国との同組を避けることができるためです。もし世界ランク13位以下となると、ポット3以下に振り分けられるため、プール戦で複数の強豪国と同じグループに入る「死の組」となるリスクが高まります。
現在の順位とポイントは以下の通りです。
11位:ジョージア:74.69
12位:ウェールズ:73.57
13位:日本:73.25
3チームの抽選会までの残り試合は以下の通りです。左がホームです。
①ウェールズ vs 日本
②ウェールズ vs ニュージーランド:91.35
③ウェールズ vs 南アフリカ:93.06
④ジョージア vs カナダ
⑤ジョージア vs 日本
現実的にウェールズは②ニュージーランドと③南アフリカにいずれも敗戦、ジョージアは④カナダに勝利すると仮定してシミュレーションすると、128通りのパターンが考えられます。そのなかで日本がこの3か国の中で2位(=12位)以内に入るパターンは75通りです。
もし日本がウェールズに負けた場合でも12位以内に入れるパターンも存在しますが、以下の条件が重なる時に限られます。
1.ジョージアに対して日本が勝つ(大差勝ち)
2.ジョージアがカナダに勝つが僅差(ポイント上昇が小さい)
結局何が言いたいかと言うと
「日本はウェールズ戦必勝です」
え?そんなこと分かってるって?
長々と失礼しました(笑)。

11月11日
イングランド絶好調
イングランドが今年に入って調子良いですね。2月の6Nsの初戦にアイルランドに負けてから現在テストマッチ9連勝中です。世界ランキングもフランスを抜いて4位まで上がってきました。週末のオールブラックス戦がいよいよ楽しみです。
向こうの記事を中心に、イングランド好調の理由をまとめてみましたので、ご参考まで。
①選手層・ベンチの活用と厚みの確保
ボーズウィック体制下では、「ベンチからの投入選手が試合の流れを変える」「控えの選手が活躍できる構成」になってきており、代表チームの厚み(ローテーションの深さ)が向上していると分析されています。
→ 競争・切り替え・ローテーションを意識した組織運営ができている点が評価されます。
引用元記事
②安定感・メンタリティ改善/試合コントロールの向上
ボーズウィックさんは「選手が何をしようとしているかが明確だった」「難しい状況(悪天候・相手圧力)でも落ち着いていた」と称賛しています。また、「終盤にリードを守る」「勢いを維持する」という点で改善の兆しがあるとされています。
→ 単に強い選手を揃えるだけでなく、試合の流れ・勝利のための状況判断・持続性という面で成長が見えるという点が優れていると言えます。
引用元記事
③戦術構築・変化の意識/領域・キックの活用
最新の分析では、キックゲームや領域確保を意識した戦術が機能しており、試合の基盤(セットプレー・キック・守備)を整えてから攻めを組み立てる姿勢が強くなっています。(②と同じ記事)
→ 伝統的な「前進・フェーズ攻撃」だけでなく状況に応じた戦術の幅が出てきている点も評価されます。
選手層の厚み・ベンチ活用・メンタリティと安定した試合運び・戦術の幅という点で前進が見られ、「勝ち続けるチーム」に近づきつつあるようですね。
...ところでイングランドの前の監督って誰でしたっけ(笑)。

11月12日
ジャック・モーガン、負傷により残りのシリーズ欠場
ウェールズのFLモーガンが先のアルゼンチン戦で後半にトライを決める際に肩を脱臼した。モーガンはB&Iライオンズ戦にも選ばれたウェールズのキャプテンであり大黒柱。アルゼンチンには敗れたものの、この試合のレイティングでは両チームトップの「9点」だった。大袈裟ではなく、これでウェールズの戦闘力は2~3割落ちる。
ウェールズ戦の結果は分からない。ただ
・ワラビーズ戦でリーチをハイボール処理に回したこと
・ガンターのお子さん出産予定は事前に把握してただろうこと、
・その他たくさんの離脱者を出したこと、
・ボクス戦を無理やり詰め込んだこと...
欧州遠征で最大のターゲットである2試合に関してベストメンバーが組めない日本。
協会のマネジメント能力を疑わざるを得ない。

11月13日
週末のお楽しみ(備忘録)

11月13日
【楕円球大言葉】
ムゴメズルとポラード。
(藤島大 / JustRUGBY)
藤島さんは直接的な表現は使わない。物事の輪郭を描くことで、その核を浮き彫りにする。現在の日本代表の選手選考とアタックを憂う自分にとって、藤島さんの言葉が胸に突き刺さる。以下、抜粋です。
...前略...
現在進行形のスプリングボクスは多層を誇る。有史以来の巨漢の腕力、身体の強靭、無慈悲なセットプレーを手放すはずもなく、なお、サーシャら多士済々の彩る自由性を我がものとしつつある。
仕掛け人はジェイミー・ジョセフHC体制の桜のジャージィのアタック構築を担った人物、トニー・ブラウンに決まっている。あらためてジャパンは余人まれだろう腕利きを持っていかれた。いまブラウニーは世界一の集団にあって、わかっちゃいるけど止められぬ問答無用に防御の的をしぼらせぬ細密な仕掛けをまぶす。
エラスマスHCは若き才能の発掘と育成に長く汗をかき、なお、むやみな登用には走らず、経験と可能性の均衡を慎重に計算、着々と選手層を重ねる。だれがいつどこで出ても、なんでもできる。そんな怪物的なチームをめざすかのようだ。
...中略...
それに勝つには。
「ひとり」だ。ふたりにまさるのはひとりである。かつてのスティーブン・ラーカム(ワラビーズ)、ジョニー・ウィルキンソン(イングランド)、ダン・カーター(オールブラックス)級のひとつだけの中枢で対峙する。
当人が怪我をしたらおしまい。ひとりによりかかるゆえの戦法浸透が鼻の差の凱歌をもたらす。「絶対の10番の固定」がスプリングボクス3連覇阻止のための各国の主題ではあるまいか。

11月13日
ウェールズ代表
日本戦メンバーの顔と名前を作りました。
ベースは先日のアルゼンチン戦のメンバーですね。別でツイートもしましたが、大黒柱のFLジャック・モーガンが欠場です。他は7月の2連戦にも出場してた選手が沢山いるので親近感は湧きますね(笑)。
7月に出てなかったのは...
4番ジェンキンス
5番ビアード
9番ウィリアムズ
13番ルウェリン
14番リース=ザミット
17番カリ
22番エヴァンス
23番トンプキンズ
です。
特に要注意は、ライオンズツアーに召集されていた9番ウィリアムズとアメフトから戻ってきた14番リース=ザミットですかね。2人ともアルゼンチン戦でも良い動きしてましたから。
ウェールズも12位以内は死守したいでしょうし、何よりホームで恥ずかしい試合は出来ませんから、日本にとっては厳しい戦いになるでしょうね。


11月13日
ウェールズ戦、日本代表メンバー
先日のウェールズ 28 - 52 アルゼンチンの試合を観た。ウェールズは攻撃では22m内に侵入すれば高い確率で得点していた。守備ではアルゼンチンに前に出られていたためか、接点に人数をかけなければならず、自然に順目方向のディフェンスが足りなくなり、そこをアルゼンチンに突かれていた印象。ハイボール処理は日本とどっこいどっこい。
日本はエリアで勝って、接点で踏ん張り、ウェールズを自陣に入れる回数を減らし、攻撃では外に大きく展開すれば、勝機はあるかもしれない。
...なんて、それっぽいことを書いたけど
今更戦術ーの議論なんてどうでも良いから、
メンバーの議論なんてどうでも良いから、
アタックコーチがずっと不在でも良いから、
沢山反則しても良いから(カードはダメ)、
泥臭いトライばっかりでも良いから、
運が味方しただけでも良いから、
1点差でも良いから、、、
とにかく何でも良いから勝って欲しい。
試合後の選手たちの笑顔が見たいんだよ。

11月15日
映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」
本作は、音楽映画という枠組みを表面的に踏襲しながら、その実、きわめて内省的な“精神史”を描き出す作品である。スタジアムを揺るがす“ボス”のカリスマ性を期待すれば、確かに肩透かしを覚えるだろう。しかし本作が射程に収めるのは、世界的成功を収めた『Born In The U.S.A.』のわずか二年前、密やかに制作された異色作『ネブラスカ』の背景であり、その成立を支えたブルース・スプリングスティーンの深い苦悩だ。
本作は、若き日のスプリングスティーンを支配していた闇、すなわち精神的問題を抱えた父との緊張関係、そして自身を蝕む孤独を丹念に掘り下げる。キャリア躍進のただ中で、彼は「自分」という核を見失いかけていた。その岐路で、自宅の4トラック・カセットレコーダーへ向けて紡がれたのが『ネブラスカ』の楽曲群である。劇中では、ジェレミー・アレン・ホワイトがスプリングスティーンを演じ、もがきと衝動をそのまま映像へと引き寄せる。演技だけでなく、自ら歌い、演奏し、創作の痛みと歓喜を肉体的に表現するその姿は圧巻である。
本作が興味深いのは、ライブや大規模な演出をほぼ排している点だ。狭い部屋、スタジオ、そしてマネージャーとの時に摩擦を帯びる対話──そうした閉じた空間に焦点を定めることで、スプリングスティーンという“ロックスター”の外殻は剥がれ落ち、人間としての輪郭が露わになる。過去のトラウマ、自身のルーツに対する複雑な感情、それらが乾いたロードムービーのような映像と共振し、観客の胸に静かに、しかし鋭利に刺さる。
結果として本作は、スターダムの光の裏側に潜む孤独、アーティストが魂を削り作品を生む瞬間の真実を映し出す作品となった。これは音楽ファンだけの物語ではない。創作者、あるいは人生の岐路で自らと向き合うすべての者にとって、この映画の示唆は確かに響くはずだ。“ロックンロール史の縁”に触れたかのような感覚と共に、観る者の心に深い余韻を残す一本である。

11月16日
QNS 第3週
イタリア 14 - 32 南アフリカ
ボクスはンチェもマークスもデュトイx2もエツベスもデヤハーもヴィーセもいない。ライナーもムンゴメズルもデアレンデもクリエルもコルビだっていない。何故かHOの控えもいない。しまいにゃ先週のフランス戦に続いて14人になっちゃう。
...なのになんで勝っちゃうんだよ。
エラスマスさんは世界ランク1位であることなんて全然気にしてないように見える。今日も一見、訳分からないメンバー構成にも見える。でもその裏では、若手にボクスのジャージを着させるまでは、時間をたっぷりかけて用意周到に育成している。
今日のイタリア、SOガルビジは調子悪そうだったけど、全体としては悪くなかった。それでも終わってみればボクスの快勝。今日出場した若い選手たちはより一層自信を深めるだろう。
エラスマスさん、本当に稀代のチャレンジャー且つ稀代の名将だと思う。

11月16日
夢だとしたら悪夢。
でも夢じゃない。
これは現実だ。

11月16日
心を落ち着かせるために、
まずは一本煙草を吸い終え、
レビューを書き始めた。
いつも通りの感じ、
辛口で名指しで批判する感じ、
エディや協会に話を広げる感じ、
どのパターンで書いても、
今の日本代表と今の自分の気持ちが
全然上手く表現できない。
かれこれもう1時間。
寝不足か煙草の吸い過ぎか、
悔しさか歯痒さか憤りか絶望感か。
頭がボーっとしてきた。
もしレビューを楽しみにされていた方々、
今日は勘弁してください。すみません。
11月16日
無題

11月18日
大西さん
誕生日おめでとうございます。
いつも解説やイベント、SNS等で楽しませてくださり、ありがとうございます。
大西さんの解説は、
「戦術的に深い」
「言葉が優しい」
「プレーヤー視点がリアル」
という三拍子が揃った、日本で最も安定して分かりやすいラグビー解説だと思っています。
お身体に気をつけて、益々のご活躍をお祈りしています。

11月18日
ハカが始まる直前、イングランドの選手たちはためらいなく前進し、ハーフウェイラインまで迫る。8万人を超える観衆の地鳴りのような声援が響き渡る。
「スウィングロウ」の大合唱がスタジアムを揺らし、ハカの咆哮と正面衝突する。歌声と雄叫びが空中でぶつかり合い、まるで音そのものが戦っている。
カメラがV字の最前列、火の玉小僧ヘンリー・ポロックの表情を抜く。舌なめずりをしながら薄く笑みを浮かべたその顔は、不敵というより挑発的で、これから始まる衝突の火蓋を切るような気配すら漂わせている。
ハカが最高潮に膨れ上がる。黒い戦士たちも、いつもの静かな三角形をかなぐり捨て、イングランドの目前へ歩み寄る。両軍の間には、もう風すら通れないほどの緊張が満ちている。
その瞬間、テストマッチの枠を超えていた。まるでワールドカップの決勝前夜――歴史が書き換わる“あの瞬間”に立ち会っているかのようだった。
11月19日
QNS 第3週
イングランド 33 - 19 オールブラックス
試合の序盤は、オールブラックスのペースでした。試合開始早々に攻勢をかけ、WTBレスター・ファインガアヌクとHOコーディー・テイラーがトライを挙げ、0 - 12 とリードしました。
しかしイングランドも24分、CTBオリー・ローレンスが1本返し、5 - 12 と反撃を開始します。その後は一進一退でしたが、前半残り3分から、早くもこの試合のハイライトが訪れます。37分、39分とSOジョージ・フォードが立て続けにドロップゴールを沈めました。それはまるでイングランドのレジェンドSOジョニー・ウィルキンソンを彷彿とさせました。前半ペナルティ「0」のオールブラックスにとってはショックすぎる2発だったことでしょう。この時点で 11 - 12 でしたが、試合の流れは完全にイングランドに傾いたように見えました。
その証拠に後半開始早々、HOテイラーがイエロー。その間にFLサム・アンダーヒルのトライで逆転し、54分にはSOフォードの芸術的な50:22を起点にCTBフレイザー・ディングウォールがトライを重ね、25 - 12 と点差を広げました。
オールブラックスも64分にFBウィル・ジョーダンのトライで 25 - 19 としましたが、76分にSOフォードがPGを沈め試合を決定的にし、77分にはWTBトム・ローバックがとどめを刺しました。
イングランドの強さは本物でした。この試合前までテストマッチ9連勝中とは言え、その間ランキングTOP3との対戦はなかったため、一部のファンからはその強さに対して懐疑的な意見も寄せられていましたが、そんな声も見事に吹っ飛ばしました。
ラインアウトはまさかのボロボロでしたが、スクラム、ディフェンス、タックルの強さは相変わらずでした。アンダーヒル、アールらの超攻撃型バックローに加え、以前は迫力不足だったバックス陣も両CTBディングウォール/ローレンス/、両WTBイマニュエル・フェイ=ワボソ/ローバックらがどんどん力を付け、この試合も躍動しました。試合前からエナジーが漲っていた火の玉小僧のFLヘンリー・ポロックも途中出場でチームのモメンタムをさらに加速させました。
ただ何と言ってもこの試合はPOMを獲得したフォードに尽きますね。まさにキーマンであり、経験豊富なSOが試合をコントロールして流れを作りました。この試合にフォードを先発させたボースウィックさんもファインプレーでしたね。
イングランドは苦しい序盤を乗り切るための戦術(堅いディフェンス+フォードのキックゲーム)が効果的でした。12点のビハインドを跳ね返すにはメンタルの強さが不可欠ですが、イングランドはその部分でも勝利に値する強さを見せたと思います。トゥイッケナムでのオールブラックス戦勝利は13年ぶりということで、象徴的な意味が大きいですし、連勝が続いている中でのこの勝利は彼らの自信をさらに高めるものとなると思います。
世界ランクもいよいよ3位まで上がってきました。北半球ではアイルランドやフランスを抑えてトップですね。ボースウィックさんにとっても、このチームの完成度をさらに高めるチャンスであり、今回の勝利をきっかけに、より強いイングランドを作るビジョンが現実味を帯びるでしょう。
振り返れば、B&Iライオンズ遠征で13人ものメンバーがタフなツアーを経験したこともチームに好影響を与えているのでしょうね。また個人的にはW杯も優勝し、現在テストマッチ33連勝と世界記録を更新し続けているレッドローズ(女子イングランド代表)の大活躍も良い刺激になってることと思います。まだ終わってはいませんが、2025年はイングランドのラグビーファンにとっては最高の1年になりそうですね。
それに引き換え、、、、長くなりそうなので止めときます(笑)。
試合のハイライトはこちら
(フォードのDGだけでも観る価値あり)

11月21日
週末のお楽しみ(備忘録)
J SPORTSとWOWOW様、どっちを観ようかな。

11月21日
ジョージア代表
日本戦メンバーが発表になりました。ジョージアについては去年のユアテック仙台の試合と、ここ2試合のカナダ戦とアメリカ戦くらいしかちゃんと観てないので、あまり参考にはならないかもしれませんが...
去年の日本戦メンバー(左画像の黄色線)がたくさん残ってます。
1.ギオルギ・アハラゼ
3.イラクリ・アプツィアウリ
4.ミヘイル・バブナシュヴィリ
5.ヴラディメリ・チャチャニゼ
6.トルニケ・ジャラゴニア
7.ベカ・サギナゼ
8.ベカ・ゴルガゼ(主将)
9.ヴァシル・ロブジャニゼ
10.テド・アブジャンダゼ
13.ギオルギ・クヴェセラゼ
15.ダヴィト・ニニアシュヴィリ
19.ギオルギ・ジャヴァヒア
20.ルカ・イヴァニシュヴィリ
23.ルカ・マトカヴァ
個人的な要注意選手は
3.イラクリ・アプツィアウリ
8.ベカ・ゴルガゼ(主将)
9.ヴァシル・ロブジャニゼ
13.ギオルギ・クヴェセラゼ
15.ダヴィト・ニニアシュヴィリ
あたりでしょうか。
ジョージの選手の多くがフランスのTOP14やPro D2(2部リーグ)で活躍していて、個人的に上の選手たちに馴染みがあるだけなのですが(笑)。
先のカナダ戦とアメリカ戦で計3トライを奪ったのがCTBギオルギ・クヴェセラゼ(右画像)です。ご覧のイケメンですので、ジョージア女子に絶大な人気があるそうですね。ちなみにカナダ戦でハットトリックで大活躍だったWTBシャルヴァ・アプツィアウリが欠場なのは日本にはラッキーです。
ジョージアは伝統の強力セットプレーを基盤とするFWD一辺倒のチームと思われますが、SHロブジャニゼを中心としたバックス展開も高次元になってきている印象です。
とは言え、所詮ランキング11位ですので、(普通の)日本が勝てない相手ではないと思います。

11月22日
ジョージア 23 - 25 日本
タイラー・ポール、ありがとう!

11月24日

11月24日
ヴィクター・マットフィールド氏から2025年ワールドラグビー男子15人制年間最優秀選手のトロフィーを授与される前に尋常じゃないくらい仲間に揉みくちゃにされるサポーター姿のマルコム・マークス(笑)(笑)(笑)。
11月25日
日本はどのプールに入れば嬉しいか?
12月3日に2027年W杯のプール分け抽選会が行われます。現時点で分かっている大会形式や仕組みをまとめてみました。
バンド分け/プール分け/決勝トーナメント進出要件は画像の通りです。
従来ですと「決勝トーナメント進出 = 準々決勝進出 = ベスト8進出」となっていましたが、2027年W杯では参加チームが増えたため、決勝トーナメントの最初のラウンドが「Round of 16(16強)」となり、その後 準々決勝 → 準決勝 → 決勝 の流れです。
ですので「日本が12位になれば決勝トーナメント進出の可能性が高まる~!!」と散々メディアはアホみたいに騒いでましたが、いくら決勝トーナメントに進出しても Round of 16 で敗退すれば、「日本は世界ランク12位のくせに、W杯ベスト16止まりかよ」と言われる可能性も大いにあります。12位だって13位だって Round of 16 に勝たなきゃ準々決勝には進めません。それすら分かってないアホなメディアが沢山あるのでしょうね。
それはさておき、以下が大会主催者が示している Round of 16 の組み合わせパターンです。
※最終的な抽選結果や「どの3位が上位4に入るか」によって変動あるかも、と言われています。
R16-1:Pool A 1位 vs Pool 3位の中の1チーム
R16-2:Pool B 1位 vs Pool 3位の中の1チーム
R16-3:Pool C 2位 vs Pool F 2位
R16-4:Pool E 1位 vs Pool D 2位
R16-5:Pool A 2位 vs Pool E 2位
R16-6:Pool F 1位 vs Pool B 2位
R16-7:Pool C 1位 vs Pool 3位の中の1チーム
R16-8:Pool D 1位 vs Pool 3位の中の1チーム
仮に日本が Pool 2位に入ったとしても、R16-4 や R16-6 のパターンですと、Pool 1位のチームとの対戦になりますから、敗退する可能性が高いです。となると、残されるのは R16-3 と R16-5 のパターンです。ただし、バンド2のチームで日本が勝てる可能性があるのはウェールズだけだと仮定すると、Pool A には開催国であるオーストラリア(2位の前提)が入ることが決まってますので、R16-5 のパターンも消えます。
したがって、日本が準々決勝に進める可能性が最も高いのは『R16-3』となります。
・日本が Pool C 且つ ウェールズが Pool F
・日本が Pool F 且つ ウェールズが Pool C
全ては可能性の話で、机上の空論です。あと2年で日本が飛躍的に強くなって、Pool 1位にでもなれれば、話は全然変わってきますので。そんな訳はありませんが。

11月25日
ファンを舐め、
ファンを馬鹿にし、
ファンを蔑ろにする、
日本ラグビー界の三悪人

11月26日
映画『ミッシェル・ガン・エレファント "THEE MOVIE" -LAST HEAVEN 031011-』
クソみたいな首脳陣のクソみたいなインタビューを見たためクソみたいな気分だった。心を浄化させるため、千葉まで観に行ってきた。ヤツらは裏切るけど、ロックは裏切らない。感想を少し書いたので、誰かの何かの参考になれば幸いです。
この映画は、感情の回路を断ち切り、かわりに“音の骨格”だけをむき出しにしたような作品だ。物語はない。説明もない。あるのは、四人の身体が“生きてそこに立っている”という事実と、その事実が生む振動だ。映像は語らず、ただ突き放す。冷たい壁のように。しかし、その壁には微細な震えが走る──まるでアンプに流し込まれた電流が、静かに歪みを増幅させるように。
ライブシーンにおける彼らは、情緒ではなく“衝動の構造体”として捉えられる。リズムは鋭利で、まるで地面を刻むチェーンソーの回転音のようだ。ギターは火花を散らし、ベースは地鳴りのように低く沈み、ドラムは乾いた銃声のように空間を撃ち抜く。そのすべてが、観客の歓声や熱狂といった“情緒的ノイズ”を押し返し、ただ音の密度だけを前面に押し出してくる。
ステージ上の彼らは、熱狂しているように見えて、その実、冷たい規律の中で動いている。それはロックバンドの放埒とは異なる、研ぎ澄まされた戦闘の所作に近い。音は暴力だが、その暴力は統御されている。激情ではなく、意志によって鳴らされる音。この映画は、その意志の硬度を拾い上げることに成功している。
インタビューの断片は、語ることよりも“語らないこと”が支配している。沈黙は湿度を持たず、乾ききったアスファルトのようだ。そこには内省も後悔もなく、ただ必要最小限の言葉が、刃のように置かれている。説明を拒むバンドの姿勢は、そのまま音の在り方と重なり合い、言葉の不足がむしろ彼らの“本質の過剰”を露出させている。
解散という終わりは、映画の内部で情緒化されない。それは悲しみでも涙でもなく、“不可逆のビート”として沈む。一度鳴ってしまったリフが、もう二度と同じ形では鳴らないように、距離も戻らず、関係も戻らず、ただ時間だけが一方向に流れる。映画はその事実を飾らず、冷たく提示する。冷たいが、痛いほど美しい。
“LAST HEAVEN”という名は、比喩ではなく“一点突破の証拠”だ。天国でも地獄でもなく、ただバンドが最後に鳴らした音の強度が凝縮した場所。本作はその一点を、炎ではなく金属として捉える。熱ではなく硬度として、終わりを刻みつける。
結果としてこの映画は、ドキュメンタリーの顔をしていながら、じつのところ“音の彫刻”に近い。削ぎ落とされ、研ぎ澄まされ、残ったものが異様に硬い。それはロックの表層をすべて剥ぎ取り、底に沈む“無骨な真実”だけを拾い上げた形だ。
この作品は、THEE_MICHELLE_GUN_ELEPHANT が何であったかを説明しない。説明しないかわりに、その存在が生んだ衝撃の輪郭だけを、冷たく、鋭く、そして乱暴なほど正確に刻み込んでいる。

11月27日
松永選手
誕生日おめでとうございます。
いつもグラウンドで全力を尽くす姿
強さだけでなく泥臭さも美しさも
すべてを背負って戦うプレーに
何度も力をもらってきました。
これから迎える一年が
さらなる成長と輝きに満ちた
最高のシーズンになりますように。
ずっと応援しています。

11月28日
週末のお楽しみ(備忘録)
日本代表の試合が無いと気が楽です。

11月28日
年末年始に読む本たちをAmazonでポチリました。
ビール片手にあれこれ本を選んでる時間も好きです。
誰かの何かの参考になれば幸いです。

11月29日
推し(松永美穂)のトライも観れたし、
買ったカメラもデビュー出来たし、
大満足の一日でした。

11月29日
リーグワンDiv.1 順位推移
開幕まであと2週間。
今年はどこが優勝争いするでしょうね。
もう待ちきれません。

11月29日
リーグワン2024-25 全26チーム
平均観客動員数ランキング
昨季の振り返りです。
昨季よりお客さんが増えると良いですね。

11月30日
リーグワン2025-26
パネルレフリー
今年もお世話になります。
古瀬さん、TOP14でも頑張ってましたね。
初めましての方もいらっしゃいます。
レフリーの推しを作るのも楽しいと思います。自分の推しは近藤雅喜レフリーですので、どのチームに関わらず近藤さんが吹く試合は全部観てます(笑)。

11月30日
彼らには慈悲の心は無いのか!?(笑)

11月30日
これはTOP14での1コマです。
選手が整列してレフリー陣を迎え入れます。
リーグワンでも実現して欲しいです。
11月30日
The BONEZ@Zepp Haneda
The BONEZのライブは、生きてることの鼓動をむき出しにしてくれる、魂の爆心地だ。会場に足を踏み入れた瞬間から空気はざわつき、照明が落ちた瞬間、胸の真ん中に雷みたいな衝撃が突き刺さる。始まった途端にすべてが点火し、JESSEのシャウトが観客一人ひとりの心臓を蹴り上げる。歌っているんじゃない、魂を投げつけてるんだ。
T$UYO$HIのベースは重低音というより“地鳴り”だ。鳴らされる一音一音が体の奥を直接揺さぶり、観客の鼓動がバンドとシンクロしていく。KOKIのギターは鋭く切り裂く刃で、楽曲に疾走感を注ぎ込み、ZAXのドラムは暴れ出した心拍をさらに加速させるエンジンみたいな存在だ。四人の音がぶつかり合い、絡み合い、混ざり合って、生き物みたいにうねる“圧倒的な生命力”を生み出していく。
The BONEZのライブが唯一無二なのは、その音の破壊力だけじゃない。ステージとフロアが対等にぶつかり合い、火花を散らしながら“この瞬間を一緒に作る”という共犯感覚を共有できるからだ。観客の叫びが広がり、拳が宙に突き上がり、迷いも疲れも吹き飛んで、ただ今この瞬間だけが世界のすべてになる。気づけばステージと客席の境界は溶け落ち、会場全体がひとつの巨大な心臓みたいに鼓動する。
ライブが終わるころ、自分の胸には必ず小さな火が灯っている。ロックがまだ人の人生を揺らし、救い、突き動かす力を持っている──The BONEZはその真理を、毎回のライブで叩きつけてくるんだ。
