2025年05月②


5月18日

リーグワン2024-25
プレーオフ準々決勝
クボタ 20 - 15 サントリー

前半から完全にクボタペース。サントリーは自陣にくぎ付けだった。ポゼッションもテリトリーも恐らく7割超えていたのではないだろうか。ただ、クボタのゴール前の猛攻を食い止めた鬼気迫るディフェンスは、胸に来るものがあった。蛇足だが、あれだけ反則を繰り返したサントリーには、チームコーションでイエローを出すべきだったのではないだろうか。これでもしサントリーが勝っていたら、レフリーに非難が集中したのではないかと、余計な心配が胸をよぎった。いずれにしろ 3 - 0 で折り返したのは、サントリーにとっては御の字だった。

こういう試合は、得てして後半になると点の獲り合いになる。まずはサントリーがFB松島の裏へのゴロパントにWTBコルビが追いつき右隅へ逆転トライ。3 - 5。クボタもWTB根塚が内へ切れ込み、最後はNo.8箸本をはじき飛ばして 10 - 5。しかしサントリーはゴール前ラインアウトのサインプレーでFLケインがトライ。10 - 12。

そして後半20分くらいだっただろうか。逆転した勢いそのままに攻め続けるサントリーがピッチ中央付近でペナルティを獲得。ここは一気に点差を離すべく、ラインアウトを選択すると思いきや、PGを選択した。個人的には、ここがこの試合の分水嶺だと思った。サントリーはチャレンジャーだ。いくらプレーオフとは言え、手堅すぎる選択だ。ここは強引にでもトライを獲りに行って欲しかった。距離は40m超、キッカーは直前のプレーで足を痛めたように見えたコルビだ。案の定キックは外れ、試合の流れがクボタに傾いたように見えた。

サントリーはアタックが売りのチームだ。今日はいくつノッコンしただろう。パスが低かったりしたせいもあるが、多分10個以上はハンドリングエラーがあっただろう。ラストの攻撃もノッコンで相手ボールになったのが象徴的だった。緊張やプレッシャーがあったのだろうか。しかしこの大事な試合でハンドリングエラーを頻発するようなチームでは、上に進むには相応しくない。

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今季は苦しいシーズンだった。とにかくメンバーが揃わなかった。個人的にキーマンだと思う、PR小林/垣永、HO堀越、LOホッキングス、バックローのマクマーン/イオアネ、CTB中野/プニヴァイ、FB河瀬。全員が揃った試合があっただろうか。逆に考えると、個人的に主力だと思う選手たち以外の力が全体的に足りていなかった気がする。ノットストレートやハンドリングエラーを頻発する森川兄弟。いつまでも先発に食い込めない細木。不用意な反則を繰り返すホゼア。安定感はあるものの爆発力のない下川。期待外れの福田。正SOの座を最後に明け渡した髙本。かつての輝きを失った尾崎兄と中村亮土。最後まで蘇らなかった松島。もっと出場機会を与えれば結果を残すだろうに、久々の先発で試合勘が戻らなかったのか、肝心な今日の試合でノッコンを連発する仁熊。

最後の試合でプライドを垣間見れたディフェンスも、シーズンを通しては決して良くなかったのは、失点の多さが物語っている。信条のアタッキングラグビーも今では鳴りを潜め、組織で崩すよりも個人で打開する場面が多かった気がする。シーズン終盤のプレースキッカー不在も課題だろう。

サントリーは「日本人選手を育てているんだよ」という声もあるが、実際にはカテゴリA/Bの外国人選手が他チームと比べ、決して少ないわけではない。ただ試合に出場できるほどの実力の持ち主が少ないだけだ。日本人若手選手が育っていないことも深刻だ。リーグを見渡せば、外国出身選手の多くを擁するチームがどんどん強くなっている。今回の理不尽なカテゴリー分けに、サントリーOBのお偉いさんが絡んでるとも揶揄されているが、他チームと比べて、現在のサントリーの育成やスカウティングに課題がないとも言えない。

長いシーズンも乗り切るには、強いディフェンスと分厚い選手層が絶対的に必要だ。今季の屈辱的なシーズンを踏まえ、フロントがどこにテコ入れするか、選手たちが何も思い、何を感じて練習や試合に取り組むか。来季の光明は、恐らくタタフが復帰すること。ただ勿論、タタフ1人でサントリーが強くなるわけはない。

サントリーを応援し始めてもう20年。いまさら贔屓を変えるわけにはいかない。2016年以来のチームの大きな変革期が来ているのだろう。懲りずに来季も応援します。


5月18日

勝手に表彰します。




5月18日

いまだ衰え知らず。




5月20日

リーグワン2024-25
プレーオフ準決勝進出チームスタッツ

当日のメンバー、戦略、試合の流れ/勢い、運、天候、声援等々、一発勝負を左右する要素は色々あると思いますので、スタッツが全てではありませんが、準決勝がどんな試合展開になるかの想像に使ってください。

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参照URL:J SPORTSチーム比較




5月20日

【悲報】




5月21日

ニュージーランド学生代表(NZU)とは昔から交流の歴史があるものの、近年はプロ化の波が進み、高校からプロになる選手が多く、以前ほど強いチームではなくなった。ニュージーランド州代表選手権(NPC)でプレーしてるのは主将のNo.8ジュリアン・ゴーキーくらいで、他は殆どがSUPER RUGBYやNPCのデベロップメントチーム所属だろう。

若い日本の選手たちに試合機会を与えるのは良いけど、もう少し強い相手を吟味して欲しかった。




5月21日

【ウェールズ代表 2025日本遠征スコッド】

自分自身整理したかったので、メンバーのポジションを入れてカタカタ表記してみました。

あと、メンバーを見た感想も少し書きましたので、もしご興味あれば、合わせてごらんください。




5月21日

マイケル・ストーバーグ
来季もどこかでプレーが観れますように。




5月22日

週末のお楽しみ(備忘録)

今週は盛りだくさんです。




5月24日

D1/D2入替戦
豊田自動織機 43 - 42 浦安

浦安は4連続トライで14分で 0 - 28。これで慢心したのかは不明だが、浦安はそこからケアレスミスとペナルティのオンパレード。後半になるといつも通り勢いがダウン。こんな酷い負け方、滅多にお目にかかれない。

しかし織機のSOバーンズは大したものです。




5月24日

リーグワン2024-25
プレーオフ準決勝
東芝 31 - 3 神戸

序盤から攻守の切り替えの激しい展開となるものの、前半は7-3 とわずかの差。ただ後半になるとコンディションの差と地力の差が出始め、神戸に反則が目立ち始める。東芝はWTB桑山兄のトライとSOモウンガのPGで 17-3と点差を広げる。

神戸もそこから粘りを見せ、試合は拮抗状態が続く。そして68分、 神戸は自陣からWTB松永弟が左に大きくゲイン。右に展開すると今度はWTB植田が大きくゲイン。その後も数フェーズを重ね、右ライン際をNo.8サウマキがぶち破り、サポートしていたSH中嶋にラストパス。。。と思ったら中嶋がこれを痛恨のノッコン。個人的にはこれで勝負あっただ。

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結果的にスコアは大差になったが、神戸が全く歯が立たなかったわけではなかった。前半も2つほどトライチャンスはあったはずだ。ただ後半に入り時間が経過すると、地力の差が表れてきた。地力というのは、チャンスを活かせるか活かせないか、いかに規律を守れるか、そして選手層の違いといったところだろうか。

東芝も前半は反則6つと多かったが、後半はわずか1つと見事に修正してきた。(ちなみに神戸の反則は前半6、後半7。)そして東芝の控え選手達が素晴らしかった。眞壁、小鍛治の両PRは勿論、再三ラインブレイクし、 トライも挙げたHO橋本、そして何といってもCTB眞野泰地!(眞野はどうしてもフルネームで言いたくなる(笑))。やる気満々のプレーとツラ構えで一気にチームの士気が上がる気がする。

逆に神戸は後半から出る選手がなかなか流れを変えたりインパクトを出せなかった。あと来季以降を考えると日和佐と張り合えるSHを早急に確立すべきだと感じた。

しかし何といってもモウンガだ。 オールブラックスとクルセイダーズで数々の修羅場を潜り抜けてきたSOは、大舞台ほどその輝きを増す。チャンスを作り、ピンチを防ぐその経験値とスキルは、いまだに世界一と言えるかもしれない。あれは29分くらい、モウンガは普段フリーキックは結構奥まで蹴るところをわざとやや浅めに蹴り、味方にチェイスさせることで、神戸SOガットランドが蹴り返せざるを得ない状況を作り、それをキャッチした松永兄からパスを貰い50:22を決める。モウンガは一流の将棋の棋士のように何手先も読んでいるのだと感じた。

東芝はリーグワン初の連覇まであと1つ。 決勝の相手はどっちだ。


5月24日

Pacific Four Series #3
ブラックファーンズ 79 - 14 アメリカ

先日代表引退を撤回した女子ラグビーのレジェンド、ポーシャ・ウッドマン=ウィクリフが驚愕の7トライを挙げてアメリカを蹂躙した。推しのケイトリン・ヴァハアコロも4トライの大活躍だったがウッドマンの前では霞んでしまった。

まったく7トライなんて聞いたことないよ。




5月25日

【D1/D2入替戦面白すぎ問題】

・豊田自動織機 43 - 42 浦安
・近鉄 25 - 29 ホンダ




5月25日

リーグワン2024-25
プレーオフ準決勝
パナソニック 24 - 28 クボタ

先制はクボタだった。3分、ゴール前ラインアウトから、FWDがラックサイドをじりじりと前進し、最後はHOマークスが飛び込んだ。パナもすぐさまSO山沢弟がPGを決め 3 - 5 とする。しかし10分、クボタSH藤原がパナ山沢兄のキックをチャージ、こぼれ球をそのまま拾ってグラウンディング。3 - 12 とリードを広げる。山沢兄は結構チャージされる印象がある。しかしその直後にパナもゴール前からNo.8コーネルセンが飛び込み、10 - 12 と追いすがる。クボタは得点した直後の相手キックオフに対しての自陣からの脱出を2回ともしくじった。いや、パナのディフェンスがしくじらせたと言うべきか。これがパナの試合巧者と言われる所以だろう。しかし29分にはSOフォーリーがPGを沈め、32分にはラインアウトを起点に再びマークスが抜け、サポートしていた藤原にラストパス。22 - 10 で前半を終了した。

個人的には休養十分のパナが後半は巻き返すだろうと思っていた。後半開始直後、相手陣22mを少し超えたあたりから、パナがフェーズを重ねる。リーグワン随一のオレンジの壁に阻まれながらも、我慢して我慢して丁寧にフェーズを重ねる。FWDの中央突破、BACKSへの展開を混ぜながら前進を試みるも、なかなかゲインが切れない。フェーズ20くらいだっただろうか、パナがたまらずノッコンで、クボタはピンチを逃れる。FLポールがHIAで一時的に替わった以外は、クボタはまだ誰も交代していない。連戦の疲労は無いのだろうか。それともまだ後半始まったばかりだからか。クボタファンには申し訳ないが、どちらかと言うとパナを応援していた自分は、大きくて重いクボタのFWDが規律正しく、勤勉に、そして献身的に動き続ける姿に畏敬の念を感じた。

それでもパナは51分にWTB竹山が、57分には山沢弟がトライを決め、24 - 25 と1点差に迫った。ただ2本のトライとも、組織で崩した言うよりも、個人技で崩した印象が残ったのは気掛かりだった。やはりスタミナ面の影響が出始めたのか、後半はパナが主導権を握り始める。それでもクボタは全員が鬼神の如く表情で刺さり続け、リードを死守する。

そしてこの試合のハイライトが訪れる。76分、パナ陣少し入ったところのパナボールスクラム。クボタが魂のスクラムを炸裂させ、ペナルティーを獲得、雄叫びを上げる。(JSPORTSは終始ミュートだったので本当に雄叫びを上げたかは定かじゃないですが(笑)このプレッシャーのかかる大事な場面、48分に続いて、WTBヴァイレアが長い距離を沈める。24 - 28。結局このままクボタが逃げ切った。

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リーグワンが始まって初めて、パナが決勝進出を逃した。どんなに強いチームでも世代交代の時期が迫られる。王者パナソニックと言えども、そろそろその時期を迎えなければいけないのかもしれない。去年あたりから、少しずつディフェンスのほころびが多くなってきた気がする。優勝した時のディフェンスの安心感がほんの少しずつ薄れてきた印象だ。今シーズンに限って言えば、なかなかベストメンバーが揃わなかった。今日は恐らくベストメンバーと言えるのだろうが、チームの成熟度を今日に合わせてMAXまで高めることが出来なかったのかもしれない。そして気になるのがフロントローだ。PR稲垣、HO坂手が下がると、かなりスクラムが弱くなってきた印象だ。ミラーが34歳、ヴァルは36歳、いつまでもキャリアピークを維持することは難しいのは当然だ。そして試合後号泣していたサトケン。このほろ苦い経験を次に活かして欲しいと思う。山沢兄もWTBコロインベテもかつての輝きは薄れてきた感じがする。ただパナには飯島さんとロビーさんがいる。この2人ならきっと来季も何とかしてくれると期待している自分がいる。

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対するクボタ。今シーズンのベストゲームだったと思う。まずはフロントロー。紙森/マークス/ヘル/江良/海士/為房の6人衆はリーグワンNo.1だろう。誰が先発控えでもまるで遜色がない。そしてFWD陣。ボタ/ブルブリング/ポール/末永/マキシ/ヴァンジーランド/トゥパフィナウ/ラピース。途中でも書いたが、これだけ大きな選手たちが、あれだけ献身的に動き続けるのは素晴らしいの一言に尽きる。パナがミスしてしまうのも当然と言えば当然だ。今日は特にデアレンデとライリーに仕事をさせなかったのは見事だった。そして藤原。今日は出色の出来だった。勿論、チャージやトライも凄かったが、個人的にスペースを埋めるカバーディフェンスは天下一品だと感じた。もう少し体を大きくしてディフェンスを頑張れば、日本一のSHになるのも間近なのではないだろうか。そしてヴァイレア。結局勝敗を分けたのはヴァイレアのPG2本だった。チームとしてよく蹴らせたし、よく決めた。あのポーズ(何て言うか誰か教えてください)も個人的には好きだ。大学では確かFWDもしてたはず、ハイボールにも強いし、WTBとしてすべての能力が高い稀有な選手だと思う。

そして何と言ってもマークスだ。東芝のアイコンがモウンガなら、クボタのアイコンはマークスだ。強いクボタのFWDを象徴している。重要なHOというポジションに百戦錬磨のマークスがいるのは心強いしかない。年齢を重ねても衰えるどころか成熟度を増し、眼光も鋭さを増し続けている。

モウンガを中心に圧倒的な攻撃力を誇る東芝と、マークスを中心に圧倒的な防御力を誇るクボタの矛と盾対決。決勝がもう待ちきれない。


5月27日

【妄想シリーズ】

ヤング・オールスターズ ※1
     vs.
ベテラン・オールスターズ ※2

解説:藤島 大、村上 晃一、大西 将太郎
実況:矢野 武
開催日:2025年某月某日
会場:秩父宮ラグビー場
入場料:全席500円

※1:25歳以下
※2:33歳以上
※画像の左上から1~23番

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実現しないかしら(笑)





5月29日

週末のお楽しみ(備忘録)




5月31日

リーグワン2024-25
プレーオフ 3位決定戦
神戸 22 - 17 パナソニック

神戸は今シーズン、反則や失点を上回るほどの攻撃力で乗り切ってきた印象だが、今日はひたすら粘り強く守り勝った印象だ。特にLOとバックローは出色の出来だった。FL/No.8コストリーを欠いたものの、LOカウリートゥイオティ、FLララトゥブア、No.8サウマキが、それぞれ気迫あふれる突進やディフェンスを見せてくれた。そしてFLポトヒエッターやFLフナキも及第点どころか素晴らしい活躍を見せてくれた。2人ともまだ若いので、来季ももっと良くなるだろう。今日は、とくに彼らの前進がパナソニックのディフェンスラインを何度も下げさせた。トライ3本も全てがバックロー陣によるものだったのが象徴的だ。そしてベテラン日和佐とガットランドの経験豊富なHB団。脂ののってきたFB松永、移籍が成功したWTBブルア。これでモエアキオラが万全で、植田や辻野らが成長してくれば、来季も楽しみな存在だ。(日和佐がいつまでやれるかは少し心配だけど。。。)

そしてやっぱりこの人、LOレタリックだ。80分ハードワークし続けるプレーだけでなく、常にレフリーに対して何か言っており、勝利への執念は毎試合凄まじいものを感じる。ALL BLACKS100キャップ以上のレジェンドが、あれだけ気迫を前面にプレーしていれば、周りの選手たちも自然と頑張るし、それが特にFWD全体の底上げに繋がっていると思う。

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対するパナソニック。正直パナソニックが4位で終わるとはシーズン当初は毛頭思わなかった。今日も天候のせいか、あるいは何か焦りがあったのか、そもそもモチベーションの維持が難しかったのかは定かではないが、簡単なキックミスやハンドリングエラーが多かった印象だ。特にゴール前まで何度も攻め入ったが、神戸のディフェンスが素晴らしかったのもあるが、少し以前のパナソニックならあっさりトライを獲れていた気がして、はからずも王者の衰えを少し感じしてしまった。そして負けてしまったせいもあるが、神戸に気迫でも負けてしまっていたように見えたのが寂しかった。今日はいつもなら控えであろうメンバーを多く先発させたロビーさん。これが来季へ向けての位置づけだったのか、コンディションによるものかは知る由もないが、個人的にはシーズン通りの選手起用をして欲しかった。ただこれで終わらないのもパナソニックだ。勿論来季の復活を個人的には信じている。

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そして J SPORTS の解説はまたアイツだった。勿論ミュートだったが、毎回藤島さんのお話も聞けなくなるのは、個人的に本当に死活問題だ。今日もせっせとクレームのメールを送ることにしよう。


5月31日

川原レフリー、お疲れ様でした。



Lennyの#ラグビー豆知識

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