395 日本のハイパフォーマンスユニオン(HPU)入りとニュージーランドラグビー協会との覚書締結で思ったこと


2023年5月7日

①定期的な強豪国との代表戦
②定期的なNZ代表戦
③SUPER RUGBY PACIFIC(SRP)とリーグワン上位チームのクロスボーダーマッチ実現

色々メリットはあるだろう。もちろん①、②に関しては「定期的」であれば素晴らしいが、実際にはここ最近のマッチメイクとそれほど大きな違いはないし、③はイベント的な色合いが強い。個人的にはNZ協会との関係が深まったことで「サンウルヴズ」的なチームを復活させ、SRPに再度参戦してほしいが、過去のSRP脱退の経緯や現在のリーグワンの日程を考えると現実的ではないかもしれない。

であれば、シックスネーションズ(6Ns:北半球6か国対抗戦)かザ・ラグビー・チャンピオンシップ(TRC:南半球4か国対抗戦)のどちらかには絶対に参戦してほしい。NZ協会との覚書締結を考えると6NsよりTRCの方がやや現実的だろうか。

日本のHPU入りを少し冷静に考えると、男子日本代表の責任やプレッシャーが大きく増したことは間違いないと思う。今回の件は、もちろんWORLD RUGBY(WR)にも狙いはあるはず。日本市場の拡大や、アジアマーケット開拓の先兵としての役割という表面的な部分はもちろんだが、当然具体的なお金(日本でのテストマッチによる招待収入や各種国際大会への参加料や日本企業によるスポンサーシップなど)も期待されているだろう。2019RWC以降いわゆるTier1に一度も勝てていない上に、今後も連戦連敗が続くようであれば単なる「金づる」とか「名前だけのTier1」と言われかねない。まずは今年のRWCでこのWRの決定が間違いなかったと思わせる活躍を見せるしかない。そしてHPU入りしたことで今までより世界に対しての日本の発言力は増すにしても、国内リーグの最高峰であるリーグワンももっと盛り上げない限りはその説得力はある程度小さいものに留まってしまうだろう。

そして男子の15人制だけが強い日本ラグビー界の現状。男子7人制、女子15人制、7人制と男女各種目をバランス良く強化していくことが本当にHPUに相応しい国であると言えると思う。ある意味、最近のフィジーの方が強化バランスとしては日本よりも優れているのかもしれない。各種記事に日本の女子トップ選手がSRPの女子版「スーパーラグビー アウピキ」でプレーする機会を検討するとあったが、こちらは是非とも実現してもらいたい。勿論、国内女子15人制リーグの発足と並行して。

最後にNZラグビー協会との覚書締結の件。これは単なる個人的な推測に過ぎないが、裏で電通が動いていたことは想像に難くない。電通が所有しているエージェント「Halo Sport」の日本とNZの所属メンバーを見れば容易に推測できる。つまりHPU同様、こちらも当然お金が絡んでるということ。何にいくらかかったのかは知る由はないが、それに見合うくらいの日本ラグビー界の実力・人気の底上げを実現出来なければ、覚書締結の本質的な意味はないと言えるかもしれない。

Lennyの#ラグビー豆知識

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