334 トヨタ vs 早稲田 🎦


2022年10月01日

来季も「日本選手権」が行われないらしい

思い出したのが2006年の日本選手権2回戦
個人的に早稲田史上最強の「佐々木組」がトップリーグ4位のトヨタを破った試合
当時色んな人が「奇跡」と言ったが自分には「必然」だった



◆ 早稲田がトヨタに勝った理由

2006年2月12日@秩父宮
第43回日本選手権大会 2回戦
トヨタ 24 - 28 早稲田

1年前の2005年の日本選手権。大学では無敵だった早稲田はトヨタと対戦するも 9 - 24 で敗戦。
そして半年後の菅平。練習試合で関東学院に勝利した佐々木主将は清宮監督に呼ばれた。

「このままいけば多分優勝する。でもトヨタには勝てないかもしれない。どうする?」
例年のように秋シーズンを調整しながら大学日本一だけを目指すのか、TL勢に体力などで負けないよう秋も強度の高い練習を続けるのか。佐々木主将は「やります」と即答した。

TL終盤の12月、清宮監督はターゲットをトヨタに絞る。早稲田は大学日本一を決めた後、約1か月、トヨタを徹底的に分析した。その間、清宮監督はさまざまなメディアを使って発信を続けた。

「トヨタには勝てる」

これによりトヨタは「許されざる敗北の恐怖」に飲み込まれた。必要以上に早稲田戦へ準備した結果、格下の相手の長所が大きく映ってしまった。展開を意識したメンバー編成、低いタックルを避ける戦術構築、そしてその象徴が当日の陣地の選択だ。秩父宮には強風が吹いていた。慎重になるあまり、後半勝負と考えたトヨタはトスに勝って風下を選んでしまった。本来なら強風を背に、前半からいきなり問答無用のパワープレーで蹂躙すべきだった。すべては清宮監督の術中にはまったのである。

そして具体的な早稲田の勝因は3つ。スクラムとモールとラインアウトだ。

①スクラム:菅平後も強度の高いフルコンタクトの練習を多くし、ウェイトトレーニングも継続した。試合ではスクラムの背後に大学No.1CTB今村雄太を配置することで、トヨタのFWDの意識が拡散されてトヨタが押せなくなったこともあり、平均で6kg上回るトヨタと互角以上に渡り合った。

②モール:トヨタの失点で一番多いのがモールからの失点だった。トップリーグ下位チームにもモールから失点していたトヨタの弱点をつき、23分、相手ゴール前のラインアウトからモールを組んで押し込み、佐々木主将自らトライを挙げた。狙い通りの攻めだった。

③ラインアウト:早稲田はトヨタの試合映像をできるだけ取り寄せると、音量を最大に上げ、ラインアウトの時、かすかに聞こえるサインのコールに耳を傾け徹底的に研究した。その結果トヨタの自軍投入ラインアウト獲得はわずか「5/13」だった。

風も味方につけ完璧な試合運びをした早稲田。それでもトヨタは後半に菊谷崇(FL)とセコベ・レアウェレ(WTB)を投入し反撃を続ける。気がつくと 65分には24-28と4点差とし、なおも攻め続ける。

ただここからが本当の早稲田劇場の開幕だった。トヨタが攻める、早稲田がタックルする、そして跳ね飛ばされる、でも次の瞬間に立ち上がり、また足元に突き刺さる。学生レベルでは群を抜く早稲田の反応スピードと勇退する清宮監督に勝利を届けたいという執念で全員が突き刺さる。これがラスト15分以上続く。最後はトヨタがノッコンし、歴史的勝利を告げるホイッスルが鳴った。

しかし早稲田は翌週の東芝戦に 0 - 43 で完敗した。
それはまるでスラムダンクの湘北みたいだった。









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