317 フランス目線で観た日本vsフランス2連戦


2022年7月13日

フランスの今回の戦力をもっと勉強したいと思い、日本戦2試合をフランス目線で観てみた。

その前に比較材料として、去年の夏のオーストラリア遠征(3連戦)をまずは観てみた。今年と同様、TOP14が終わった直後だったので、主力はほとんどいなかったため、結果は1勝2敗と負け越したものの、メルヴィン・ジャミネ(FB)というスターの発掘に成功した。
ジャミネは当時リーグ2部のペルピニャンに所属していて、代表初選出だった。TOP14通の自分の友人でさえ存在を知らなかったが、正確無比なキックで抜群の存在感を見せつけ、現在に至る。
さらにキャメロン・ウォキ(LO)やアンソニー・ジェロンチ(FL)が代表の主力として使える目途が立ったという意味では、去年のオーストラリア遠征は成功したと言える。

今年は、個人的には去年のジャミネほどの輝きを放つ選手は見当たらなかった。
2戦連続トライを挙げたマティス・レベル(WTB)も、1戦目でトライを挙げ、2戦目ではタタフのノッコンを誘ったヨラム・モエファナ(CTB)も、それぞれギャバン・ヴィリエール(WTB)やジョナサン・ダンティー(CTB)、ガエル・フィクー(CTB)に取って代わるほどの活躍とは言えないと思う。

個人的にはマクシム・ルク(SH)とマチュー・ジャリベール(SO)のハーフ団がアントワーヌ・デュポン(SH)とロマン・ヌタマック(SO)にどこまで迫れるかを注目していたが、2人ともいまいち精彩を欠いていたように観えた。SHで言えばバティスト・クイユの方が序列の2番手に上がったように思えるが、それでもデュポンとの差はとてつもなく大きいと感じた。

強いて言えば、2戦目の後半30分に出場したセコウ・マカルー(FL)が印象的だった。最初のボールタッチで右ライン際を爆走し、田村を軽く吹っ飛ばし、大幅にゲインした。ダミアン・プノー(WTB)との入替だったので、てっきりWTBの選手かと思ったら本職はFLだった(笑)。どっかで観たことあると思って調べてみたら、先日のバーバリアンズvsイングランド戦にもWTBとして途中出場してスピードを披露していた。バーバリアンズもファビアン・ガルティエ監督が指揮していたので、マカルーは完全にガルティエ監督の眼に止まったのではと思う。

その他のロック・フランカー陣は暑さや湿度のせいか運動量が少なかったように見えた。1戦目から日本が逆サイドに展開すると、ほぼオーバーラップが出来て、背後もがら空きの場面が多かった。これは2戦目でも修正されなかった。山中の2本のトライもこういう場面から生まれた。DFコーチのショーン・エドワーズが意地悪ウィルスで来日出来なかったのが影響したのか、あえてバックス陣のDFを試したのかは定かではないが、何の狙いもないままフランスがあれほど守備を修正しないとは考えにくい。

テストマッチなので勝利するに越したことはないが、自分としてはフランス首脳陣はあまり勝利にこだわらず、それより各ポジションの2番手、3番手を見つける事、そして各選手の実力を確かめ、一段階でも上に引き上げるべき選手を見つける事を最優先していたように見えた。

そんなフランスに連敗してしまった日本。
11月の再戦での日本の奮起を期待して止みません。



Lennyの#ラグビー豆知識

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