280 語録 - 岩出 雅之


学生は優勝を目指している。
しかし、優勝だけに目が行くと無用なストレスをため込むことになる。
プロセスこそが大切。



2010年ラグビー大学選手権で東海を破り、帝京は初優勝。
監督就任14年目に掴んだ栄冠を噛み締める。


前の年のいいものを受けついで、さらによくしようと努めてきた。
それを14年、やってきたからこそなんです。



指導の要諦を聞けば

本気・根気・元気



基本とは、からだに染みついていくものじゃないですか。しんどい時ほど、うるさく言います。要は繰り返しです。『基本をDNAに刻め』とよく言っています。



要は心とからだのバランスです。1日24時間中、ラグビーの練習はせいぜい、2、3時間。残りの時間を学生がきっちりし始めたら、チームは強くなっていきます。



勝って奢らずです。学生は1年1年、やっぱりその年を充実させるのが大事です。学生にとって、大きな財産ができます。



自信や心の余裕がない状態では、どれだけフィジカルやスキルを持っていても試合で力を発揮できない。



桶の中の水を自分のほうに寄せようとすると向こうへ逃げてしまうけれども、相手にあげようと押しやれば逆に自分のほうへと返ってくるのと同じで、自分のためではなくて相手のために一所懸命やると、物事はうまく運んでいく。



私が最も重んじていることは今の自分に満足せず自分を常に変えていくことです。イノベーションしていくことが大事だと思っています。選手たちが成長して主体的に動けるようになり、そうした人が集まって組織となるようにうまくリードアップしていくことが指導者としての役目。教育も世の中の変化に合わせて変えていく必要があります。



自分を成長させるためには何をすべきですか?

まずは、自分で動機づけをすることです。間接的な指示や外的な圧力で自分を動かすのではなく、自発的に動けるようになること。つまり、内発的な動機づけ。社会人でいえば、なぜ仕事をするのか、働くとは何かということでしょう。『働く』とは、人が動くと書きますよね。



志をもって可能性を整理しながら意識して動くこと。最も良くないのは惰性で動くことです。そして一番大事なのは、練習であっても仕事であっても楽しいと思えるか。自分がどんなふうに考えているかを理解することが成長へとつながっていきます。



今年は「C(頭文字がCの言葉)をつくろう」と言っています。たとえばチャレンジ、チェンジ、コミュニケーション、ケア、コンプリート……。どんどんクリエイティブになっていって、最後にしっかりチャンピオンになる。「C」をどんどんつくっていったら中身が濃くなるはずです。



選手の未来まで幸せにしてあげたい。



なぜ、みんなミスボールへのリアクションがはやいのですか?

(ふだんから)丁寧にやっているからだと思います。『やれ』じゃなく、『やる』。『伝える』じゃなく、『伝わる』、そういうことだと思います。



たたきのめされることもあるだろうが、立ち上がれ。 敗者とは打ちのめされた後、いつまでも寝ている奴や。



良くない時は学生が感情的。プレーも、発言も、行動も。



学生をブレークスルー(常識や壁を突き破る)させたい時は抽象的な目標を掲げる。アクションを引き出したい時は具体的な言葉をかける。



やっぱり学生スポーツは4年生のもの。たとえ力が少し劣っていたとしても、4年生のメンバーをもう少し増やしていたら、チームに粘り強さが出ていたはず。



チームの中で一番余裕がなくて弱い人は入学したばかりの1年生。反対に最も余裕があってたくましいのは4年生。余裕がない人を強い人がサポートしていくのは自然なこと。上級生が下級生のそばで走る伴走していくイメージ。



強くなるには、人間性が大切です。練習への取り組み自体、人間性がかかわる。たとえば体を作るためには、根気強くトレーニングしなければならない。そのためには、心がなければできません。



運が良い日、悪い日などない。
運が良いと思う人と、悪いと思う人がいるだけ。



『強い選手』の反対の『弱い選手』ってどんな選手なのかを考えると、いろいろな味を知らない人ではないでしょうか。悔しい味も含めていろんな味を知っていくと、自分で考えられるようになります。



完成は崩壊の始まりだから。カルチャーに完成などはない。時代は変わる。毎回毎回、目の前のことを誠実にしながら、社会人になってもいい仲間と言われるような、学生を育てていきたい。



自分たちでコントロールできないことをあれこれ考えても仕方がありません。天候を嘆いたり、レフリーの判断基準に不満を抱くよりも、それにどう対応するかに集中する方がいいでしょう。



「やりたい事」と「出来る事」は違う。



体験が経験へ変わる。それが思考とセットになる。『What』じゃなくて『Why』を聞いてくるようになる。思考の価値を理解した学生には僕が介入する必要はない。



乳児は肌を離すな。
幼児は肌を離して手を離すな。
少年は手を離して目を離すな。
青年は目を離して心を離すな。



Lennyの#ラグビー豆知識

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