242 レッドローズ(イングランド女子代表の愛称)とは?


1. 世界ランキング


こちらが12月6日付けの世界ランキングです。
レッドローズは2位のブラックファーンズ(ニュージーランド)に大差をつけてダントツの1位です。この差はちょっとやそっとではひっくり返らないくらいの大きな差です。
ちなみに日本は12位(65.49ポイント)です。



それもそのはずです。レッドローズはここ3年間のテストマッチで25勝1敗という圧倒的な強さを誇っています。昨年と今年は無敗です。




2. メンバー紹介


自分がレッドローズにハマりだしたのは2019年からです。残念ながらその頃も今も、女子ラグビーのニュースや記事は日本ではほとんど取り上げられないため、一部の選手を除いて英語で名前を表記します。

フッカー


プロップ


ロック


バックロー


スクラムハーフ


スタンドオフ


センター


ウィング


フルバック




3. キーメンバー


直近4試合のスコッドは以下のとおりです。



レッドローズの場合、代表スコッドに選ばれているメンバーであれば誰が試合に出場しても遜色のない働きをしてくれますが、強いてキーメンバーを選ぶとすると、上記のニュージーランド戦(左の2試合)に先発したメンバーは特に力があります。
ちなみにレッドローズの4番~8番の選手は、ほとんどの選手が4番~8番のどこでも出来るので、調子や試合相手によって流動的に変更しています。

さらに先日のワールドラグビー年間表彰式において、以下の5人がBEST15に選ばれました。
・3 セーラ・バーン(Sarah Bern)
・5 アビー・ウォード(Abbie Ward)
・6 ゾーイ・オルドクロフト(Zoe Aldcroft)
・8 ポピー・クリアール(Poppy Cleall)
・11 アビー・ダウ(Abby Dow)




さらにさらに ゾーイ・オルドクロフト は、ワールドラグビー「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞しました。おめでとう!
なお、 ポピー・クリアール も候補者の1人に入っていました。

発表の瞬間の映像はこちら



あと、どうしても外せないのが、キャプテンのNo.8 サラ・ハンター です。彼女は36歳、キャップ数は130くらいで、チームNo.1のキャリアの持ち主です。試合中は年齢を全く感じさせない高いワークレートを発揮して周りのメンバーを引っ張っていますし、試合前のミーティングや円陣でメンバーを力強い言葉で鼓舞しています。それはまるでウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズのようです。



レッドローズは選手もすごいですが、 サイモン・ミドルトン という監督も優秀な方です。
こちらも先日のワールドラグビー年間表彰式で2021コーチ・オブ・ザ・イヤーに輝きました。55歳のミドルトンさんはレッドローズを指揮して7年目になりますが、これまでも女子シックス・ネーションズの全勝優勝(2017、2019、2020年)などめざましい功績を挙げてきました。今年も昨年に引き続きテストマッチ無敗を達成し、イアン・フォスター(ニュージーランド男子)、デイブ・レニー(オーストラリア男子)などの候補者を抑え、女子チームの指揮官として初めてこの名誉ある賞を受賞するという歴史を作りました。




4. 試合動画


やはり、言葉や写真だけではレッドローズの強さは伝わりませんので、まずはこちらの動画をご覧ください。昨年秋のブラックファーンズとの2連戦です。

① HIGHLIGHTS | Black Ferns v England (Exeter, 2021)
② HIGHLIGHTS | Black Ferns v England (Northampton, 2021)

いかがでしたか?レッドローズ、予想以上に強いでしょ(笑)。ブラックファーンズは現在世界ランキング2位で前回(2017年)のワールドカップで優勝もしたチームなんですが、終始レッドローズに圧倒されてました。

1試合目、コロナの影響で2年ぶりのテストマッチだったブラックファーンズは序盤押し気味でしたが、レッドローズのプレッシャーを受けてラインアウトでボールを奪われチャンスを活かすことが出来ませんでした。とにかくレッドローズはフォワードが圧倒的に強くて、スクラム、ラインアウトのセットピースでかなりのプレッシャーをかけて前半3トライを奪います。後半はブラックファーンズの巻き返しを期待していたのですが、ラインアウトは多少は良くなったもののスクラムをさらに押されることになりました。レッドローズは後半も勢いが衰えず4トライを取って 43 - 12 で完勝しました。

2試合目も結果的に 56 - 15 でレッドローズの完勝でした。1試合目はブラックファーンズがブランクがありました(ヨーロッパは毎年シックス・ネーションズを開催)のでミスが多かったのですが、2試合目はブラックファーンズのミスは減った割に点差は広がりました。レッドローズは随所でプレッシャーをかけて終始試合を支配していました。チームのまとまりだけでなく個人の能力も差があるように感じました。先日の日本vsアイルランド戦みたいでしたね。
レッドローズの強さの一端をお分かりいただけたでしょうか。スクラム、ラインアウト、モールが強い、フォワードもみんな走れる、SHの球出しのテンポが良い、SOのコンバージョンが上手い、異次元のウィング(アビー・ダウ)含む強力なバックス陣がいる、監督も優秀。。。それは強いはずですよね。

他の試合動画もいくつか紹介しますのでご覧ください。

Highlights | Red Roses v Canada | November 2021
Red Roses v France | 2021 Women's Six Nations
Highlights: Red Roses v France Women
Highlights: France Women v Red Roses
Red Roses v Ireland
Red Roses v Scotland


5. 推しと沼


自分にはリアルのラグビー友達が20人くらいいます。男性が7割、女性が3割くらいです。昔は月に1回くらい居酒屋貸切って全員で飲んでたのですが、最近は4、5人くらいのグループに分かれて飲んでます。そいつらはほぼ全員何かの点で自分よりラグビーが詳しいです。SUPER RUGBY詳しいヤツ、TOP14詳しいヤツ、URC詳しいヤツ、Div2,3詳しいヤツ、大学ラグビー詳しいヤツなどなど。初めて白状しますが、こいつらが #ラグ豆 のネタの一部を提供してくれています。

その中に女子ラグビーにめちゃめちゃ詳しい女性(20代)がいて、その子の勧めで自分も女子ラグビーに興味を持つようになりました。その子曰く「推し作れば楽しいよ!」ということなので自分もまず推しを作ってからレッドローズを応援するようになりました。当時から色々推し変していますが今はこの4人に落ち着いています。多い?(笑)



レッドローズのことをもっとよく知るにはやはり HP と YouTube と SNS です。

①ENGLAND SENIOR WOMEN(HP)
②England Rugby チャンネル(YouTube)
③Twitter:England Rugby(@EnglandRugby)

①の HP の中には Video Gallery というメニューがあります。



また② YouTube の中には 「O2 Inside Line: Red Roses」 という再生リストがあります。



これらには、試合を深堀した動画や一人の選手にフォーカスした動画などが掲載されていますので、観ると選手達がどんどん好きになって、自分のように沼に落ちていくことが出来ますので試してみてください(笑)。


6. ワールドカップ


女子のワールドカップも4年に一度開催されます。2017年大会からは男子のワールドカップの中間年に実施されるようになり、今年開催されるはずだったのですが、コロナの影響で来年2022年10月8日にニュージーランドで開催されることになりました。

今のところレッドローズが優勝の大本命なのですが、実はフランスがかなり力を付けてきています。フランスは現在、世界ランキング3位なのですが、実力的には2位のブラックファーンズを上回っていると思います。現に今回のワールドラグビーが選ぶ今年のBest15にレッドローズより1人多い6人の選手が選ばれています。恐らくレッドローズとフランスで優勝を争うことになると思いますが、ブラックファーンズも意地を見せてくるでしょうから、今から楽しみで待ちきれません。

自分も最初は女子ラグビーを食わず嫌いでした。もちろんパワーやスピードは男子には劣りますが、女子もかなりハイレベルのラグビーをしているので、一度観れば楽しくなると思います。また女性が傷だらけ&泥だらけで必死にプレーをしているのを観ると尊敬の念が湧いてきます。
なかなか女子ラグビーの情報は入手しづらいとは思いますが、今回の記事がレッドローズや女子ラグビーを好きになるきっかけの一つになれば嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。




Lennyの#ラグビー豆知識

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