213 語録 - 平尾 誠二


怒るにしても褒めるにしても、それがどれだけ効果をあげるかを決めるのは、そこで発せられたリーダーの言葉です。リーダーの一言で、気合が入ったり、やる気が高まったりすることってありますよね。言葉にはそういう力があるのです。



ダメだったら次の機会に試す。でもまたダメだったらまた次に試す。そして達成できたら、それは自分の実力になっているという事なんです。



とにかく相手の話をよく聞くことが重要です。目の前の人が自分の話を真剣に聞いてくれていると思ったら、安心して本音が話しやすくなるじゃないですか。



10人を前に話すとき、リーダーにとっては1対10ですが、部下はそれぞれ1対1だと思って聞いています。だから私は、これはとくにあいつに聞いてほしいという部分が来ると、その人間の顔を見ます。そうすると、いま自分だけに話しかけてくれているという気持ちになって、真剣に聞こうという気持ちになるのです。



日本のチームワーク論は管理に走りすぎの傾向が強い。本来、管理なんてリーダーの仕事ではありません。禁止ばかりを強制した、一糸乱れぬ統制の取れた組織が強いとは思えません。むしろ、この変化の激しい世の中では、それは弱みですよ。



個人がチームのことを自分のことのように考えていなければ、チームはよくならない。これからのチーム論としてはそういうことが大事になってくる。



指導者も試合前にあれこれいうようじゃダメです。持っている力を出せばいいだけだと試合前に言ってあげればいいだけなんです。その位広い度量をもってほしいですね。



これから7年、ワールドカップを成功させるための方策を考え、知恵を絞っていけば、これからの時間が楽しくなる。



楽しいからラグビーするんであって、わざわざ苦しむためにやりたいとは思いませんよ。



コーチをやっている人で、自分のエゴだけでやっている人がいます。自分の思いや伝統などを言う人がいますが、それは大きな間違いです。



人間は、本当に上手になりたいと思ったときにこそ、学習能力を発揮するんです。



人間は練習に対して、やりたい量とやらなくてはいけない量のバランスがあって、やりたい量が多い時は、いくら練習をしても足りない位に感じるのですが、やらなくてはいけない量がそれを圧倒的に上回ると、気持ちはなえるんですよね。



世界と日本のラグビーの違いは、闘争心。



時間って命の一部なんですよ。今の時間を大事にできない人は、未来の時間もきっと大事にはできない。



未来ではない。今の自分がどうなのかが大事なのだ。



僕は厳しいです。でも厳しい練習をする時は、理由をきちんと説明して、それを越えさせます。逃げ道も作りません。



私は、リーダーが怒るということは、あまりいいことだとは思いません。よく、「うちのチームは、俺が怒るからいいプレーができるんだ」という指導者がいますが、だから怒った方がいいというのは理屈に合わないでしょう。怒られたからできたというのは、もともとそれができるだけの力があったのです。だから、この場合は、怒られるまで力を出さない個人やチームにこそ問題があると考えなければいけません。



(自分がやっていて)つまらない事をいくらやっても上手くならないですし、どんなに才能があっても二流止まりです。



「おまえたち、ここで負けたら恥だぞ」とか言う監督がいたとしたら、それは選手の恥ではなくて、監督の恥なんですよ。



出来ない理由を考えたら、理由は山ほど出てきますから、「やろうと思ったらやる」という事しか考えませんね。あとは本気になるかどうかです。



問題は弱みがあること自体ではない。自信のなさや不安から、他人との間に無意識に壁を作ってしまうことにある。



スポーツに自己犠牲などありえないと思う。自己を生かすことがチームを生かすことなんだ。



私はよく「リーダーは面白くてためになる話をしろ」と言っています。



いいチームは一軍の選手から控えの選手まで非常に意識が高いですよ。試合に出ていない人間まで「俺はチームに何ができるか」ということをいつも一所懸命考えている。



ラグビーはメンタルが大事です。それがなくて消えていった選手、たくさんいますから。



今、ピンチに感じることも、飛躍するチャンスかもしれない。



やって良かったと思わせないとやっている意味が無いと思うので、やったらいい事があるということ、目標に近づくという事をはっきりさせます。コーチの役割ってそういう事だと思っています。



当然勝ちたいと思ってプレーするんですが、自分の実力以上の事は期待しない方がいいです。



山口良治監督の練習は並みのキツさではありませんでした。あの練習を我慢できたら、世の中でおこる大抵のことが我慢できるという位のキツさでしたね(笑)。



練習は量より質、質より気分。



どんなに正しいことを言っても、それを相手が実践しようと思わなければ意味がありません。相手がやる気になって初めて、自分の言いたいことが伝わったことになるのです。



映像は何かをわかりやすく伝えるツールとしてはいいですが、それで人のやる気を高めるのは難しい。ラグビーの試合前に映像を観て気合を入れる、なんて話は聞いたことがありません。そのとき、選手を奮い立たせることができるのは、リーダーの言葉しかないのです。



すべての準備は試合前に終えておかなければならない。




Lennyの#ラグビー豆知識

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