194 キャプテン・グリーン
キャプテン・グリーンと呼ばれるカナダ代表のヘラジカのぬいぐるみのマスコットは2011年以来、常にチームと共に行動している。
「彼はいつもわれわれと一緒にいるんだ。」と右プロップのコール・キースは語る。「毎回、食事や練習やジムに連れて行くんだ。毎回チームとして行う唯一のことが、彼をそこに連れて行くことなんだ。」
そのヘラジカは、作家であり、アマチュアチームであるバンクーバー・ローイング・クラブでかつてラグビーをしていたキャプテン・トレバー・グリーンに敬意を表して名付けられた。グリーンはカナダ軍で非戦闘の軍民協力将校をしていた。2006年3月、村の長老たちと一緒に座っていて、敬意を表すためヘルメットを外している時に16歳の少年に後頭部を斧で打たれた。
グリーンは数カ月間、昏睡状態に陥り、医師は彼が生き延びることができるか疑った。しかし彼はこうした見方に抗い、日常の動きを学び直すためリハビリに励み、ついには2010年の自分の結婚式で手助けなしに立って誓いを述べることができるようになった。
2011年のラグビーW杯を前にした彼のカナダーチームへの感動的なスピーチは、選手たちを奮い立たせ、彼らが2007年以来持ち運んでいたカナダ王立騎馬警官の制服を着たぬいぐるみのヘラジカのマスコットに、彼の名にちなんで命名することになった。
「死にかけていた人間がすべてを克服した、その忍耐力はとても素晴らしいことだ。」とキースは語る。「われわれは、彼の名前にちなんでヘラジカに命名したいと彼に伝え、2011年にそうなった。彼は感動して今でもこのアイディアを気に入ってくれている。」
以来、ヘラジカのマスコットはいつもチームと一緒にいる。伝統的にチームで一番若いメンバーが責任を持って、すべての練習、試合、チームの歓迎式のような公式行事に連れて行くのだ。
↑