リーグワン2026-27 Div.1 対戦相手の公平性に関する検証


2026年9月10日

昨日、リーグワンから下記のお知らせがありました。

NTTジャパンラグビー リーグワン2026-27
ディビジョン1 試合日程・会場決定のお知らせ




Div.1は、今シーズンも昨シーズンと同じく12チームがそれぞれ18試合を戦います。対戦する11チームのうち、7チームと2回、4チームと1回対戦します。

この発表の中でリーグ側は「対戦回数の組み合わせは、2024-25シーズン(2シーズン前)の最終順位をもとに、特定のチームに偏りが生じないよう編成しています。」と説明していますが、完全なホスト&ビジター方式でない限り「偏り」は構造上、必ず発生します。

とは言え、今回の組み合わせを肌感覚だけで「偏りがある」と断言するのは違いますし、何より、自分自身、この説明だけでは、その公平性が具体的にどこまで担保されているのか分からなかったので、自分なりに検証してみました。



1. 手がかり 手がかりは、リーグワンの発表の中に書いてあった以下の3つです。

① D1 レギュラーシーズンの対戦数についての表


② 1回対戦相手(4チーム)の順位合計がいずれも同数(26)になるように設定。

③ 順位については、日程編成や会場調整等に必要な準備を早期(1月)に開始するため、前シーズンではなく、2シーズン前(2024-25シーズン)の順位にもとづく。



2. 「26」の確認

まず、①の表を基に、②が本当に「26」になっているか確認しました。

ちなみに「26」は、1チーム平均順位 × 1回対戦相手数だと思います。

1~12位の合計順位 = 1+2+3+……+12=78
1チームの平均順位 = 78 ÷ 12 = 6.5
1 回対戦相手数 = 4
6.5 x 4 = 26

2024-25シーズンの最終順位を基準に、「1回しか対戦しない4チーム」の順位合計が、全12チームで、必ず26になるよう組み合わされていることを確認しました。

※画像:「2024-25:順位」「2026-27:1回対戦(=順位)」「合計」

勿論、これだけで「18試合全体が完全に公平」とは言えません。なぜなら7チームとは2回対戦するからです。



3. 残り14試合(2回対戦)の順位ポイント

リーグワンの発表の中にはありませんでしたが、①の表を基に、各チームの2回対戦の順位ポイントを足し算していくと、画像のような「合計」なりました。

※画像:「2026-27:2回対戦(=順位 x 2)」「合計」

この「合計」は、数式でも計算できます。

1~12位の合計順位 = 1+2+3+……+12=78
あるチーム自身の順位を「r」とすれば、自分以外の11チームの順位合計 = 78 - r
そこから1回対戦する4チームの合計「26」を引く = 78 - r - 26 = 52 - r
7チームとは2試合ずつ戦うため、順位を2倍する = (52 - r) x 2 = 104 - 2r
例えば、
1位東芝は、104 - 2 x 1 = 102
12位浦安は、104 - 2 x 12 = 80

7チームの順位を足し算していった画像の「合計」と合致します。

ちなみに「東芝のほうが浦安より22ポイント有利」という単純な意味ではありません。これは、

1位チームは「自分より上位のチーム」と対戦することができない
12位チームは「自分より上位の11チーム」と対戦する

という構造上の差があるだけです。

「総合計」は、「合計」に、1回対戦の合計26を足したものです。



4. 自分の順位との差

18試合分の「総合計」を18で割ると、平均的な対戦相手の順位が分かります。

例えば、
東芝は128÷18=7.11位。自分の1位との差は+6.11。
浦安は106÷18=5.89位。自分の12位との差は−6.11。

つまり、1位チームは「自分より平均6.11位下の相手」と戦い、12位チームは「自分より平均6.11位上の相手」と戦うことになります。これは全チームで対称的に成立します。例えば6位と7位も、それぞれ+0.56、−0.56となります。

「強いチームほど弱い相手との試合が多くなる」というスポーツのリーグとして自然な構造を、上下対称に作っているということになると思います。



5. まとめ

今回の編成は、「完全な公平」を実現したものではありません。しかし、18試合制という制約の中で生じる不均衡を、2024-25順位という一つの物差しを使って、かなり数学的・合理的に配分していることは確かだと思います。

そもそも、2026-27シーズンの対戦編成なのに、基準が2シーズン前の2024-25順位であることには疑問が残りますが、リーグワンの発表③を読む限り、これは仕方ない部分だとも思います。

ラグビーの試合会場となる大規模なスタジアムは、Jリーグなどのサッカーや他イベントとの兼ね合いもあり、1年以上前から利用交渉や調整を始めるケースが一般的と聞きます。2026-27シーズンに向けた会場調整のスタートが「2026年1月」だとすると、この時点では2025-26シーズンはまだレギュラーシーズンの真っ最中であり、最終順位は確定していません。そのため、すでに確定している最新のデータである「2024-25シーズンの最終順位」を採用せざるを得なかったと考えられます。

そして、発表の中に「なお、今後においては、全チームが各2試合を対戦する完全なホスト&ビジター方式の実現に向け、試合数・チーム数を含む大会フォーマットについて検討を進めてまいります。」とあったことを考慮すれば、今回の制度は、

「不公平をなくした」のではなく、「避けられない不公平を、過去順位を基準にできるだけ均等に配分した」

と評価するのが適切ではないかと、個人的に思います。