WXV Global Series
2026年9月1日
女子15人制ラグビーの国際大会「WXV」は、2026年シーズンから「WXV Global Series(WXVグローバルシリーズ)」へと名称を変え、大会方式を大幅に刷新しました。従来の集中開催方式から、各国の商業的成長と長期的な強化を見据えた「ホーム・アンド・アウェー方式」へと移行した、新時代の世界最高峰リーグです。
1. 新たな大会構造とグループ編成
世界トップ18チームを、過去の戦績をもとに2つのグループに再編しました。この18チームの枠組みは、2026年から2028年までの3年間(1サイクル)は昇降格なしで固定されます。
◆ WXVグローバルシリーズ(トップ12チーム):
イングランド(世界ランキング1位、以下ランキング順)
ニュージーランド
カナダ
フランス
アイルランド
イタリア
スコットランド
アメリカ
オーストラリア
南アフリカ
日本
ウェールズ
◆ 方式: 毎年9月〜10月の約8週間、各国を転戦するホーム・アンド・アウェー方式(地域間遠征)で年間4〜6試合を戦います。
◆ WXVグローバルシリーズ・チャレンジャー(下位6チーム):
フィジー
スペイン
サモア
香港チャイナ
オランダ
ブラジル
◆ 方式: 単一の開催地での集中トーナメント方式(2026年は香港で開催)。
2. 「優勝チーム」を決めない理由
新しいWXVグローバルシリーズでは、大会独自の「シリーズ王者(優勝チーム)」は決定しません。本シリーズは単一のトーナメント大会ではなく、「W杯に向けた3年間にわたる世界規模の強化・予選リーグ(年間テストマッチの枠組み)」へと役割を変えたためです。逆に言うと、女子ラグビー界の「真の王座」はW杯のみとなります。
各チームは優勝を争う代わりに、公式テストマッチの勝敗による「世界ランキング」のポイント獲得及び2029年W杯オーストラリア大会への出場権獲得(3年間の全試合結果が予選プロセスに直結)のために戦います。
3. スケジュール・対戦カードの決定方法
12チームによる総当たり戦ではないため、対戦カードはワールドラグビーの基本ルールの下、各国ラグビー協会同士の「直接交渉」によって決定します。
◆ 地域間クロスオーバー: 「北半球のチームが南半球に遠征する(またはその逆)」という地域間遠征が基本となります(2026年は南半球・アジア圏のチームが欧州へ遠征するサイクル)。
◆ 3年間のサイクル: 単年では対戦しない国があっても、2026年〜2028年の3年間を通じて、世界中の強豪国とバランスよくホーム&アウェーで対戦できるように計画されています。
4. 日本代表(サクラフィフティーン)の2026年対戦相手
サクラフィフティーンの2026年秋の対戦相手は、イタリア(6位)、アイルランド(5位)、ウェールズ(12位)に決まりました。これは、新大会のルールである「地域間遠征の最適化」に加え、「日本ラグビーフットボール協会(JRFU)設立100周年」という節目が重なり決定しました。
◆ 実力が拮抗したターゲット層: 男子と違い現実的な目標である、世界トップ8入りを目指す日本にとって、欧州中堅の3カ国は勝機があり、かつ世界ランキングのポイントを稼げる可能性のある対戦相手だと思います。
◆ JRFU設立100周年記念(ウェールズ戦): 10月24日(土)に秩父宮で男子代表(フィジー戦)とのダブルヘッダーとして記念試合を行い、翌週10月31日(土)に熊谷でWXV公式戦を行うという、ウェールズ側にもメリットのある2連戦ツアーとして招致に成功しました。
◆ 遠征効率の最大化(アイルランド戦): 9月のアイルランド遠征でも、WXV公式戦と通常のテストマッチを組み合わせた2連戦を組むことで、移動リスクやコストを抑えた効率的な強化を実現しています。
5. 日本企業によるグローバル支援
この新生「WXV Global Series」の最上位スポンサーを務めているのは、日本の大手企業である三菱電機(欧州法人:三菱電機ヨーロッパ)です。
前身のWXVから継続して冠スポンサーを務めており、新方式となった2026年から2028年までの3年間もパートナーシップ契約の延長が正式に発表されています。同社はワールドラグビー全体のオフィシャルパートナーでもあり、2025年W杯やイングランド国内リーグなども含め、世界の女子ラグビーの成長を包括的に支えています。
6. リンク
◆ WXV Global Series HP
◆ サクラフィフティーン試合情報
新方式への移行により、女子ラグビーは「世界規模のホーム&アウェー興行」という新たなフェーズへと突入します。3年後のW杯に向けて世界中で本大会に大きな注目が集まっている中、女子15人制をほとんど扱ってくれない日本ではまとめ記事すら見当たらなかったのでまとめました。
